note:Words in the World

言葉 思考の断片 伝えたい、言葉
<< May 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 羊雲 | main | 手 >>

深夜に

0
     ひどく静まり返った深夜に
     雲の厚い、空の真っ黒な深夜に
     車の通りもなくなった深夜に
     人気のないこの濡れたアスファルトの上で
     静かに、
     そっと静かに
     溜息を吐く
     まるで何かに疲れたように
     何かから逃れて僅かに安堵したように
     それとも、
     取り残された自分を見つめるように
     ひどく静まり返った深夜に
     雲の厚い、空の真っ黒な深夜に
     車の通りもなくなった深夜に
     踏み出した一歩は何かを変えるだろうか
     深く吐いた息は風を生むだろうか
     形にならないこの感情を
     いつか、描くことが出来るだろうか
     君に伝えることが出来るだろうか
     伝わらないことを恐れて口を噤むことなく
     君に、話すことが出来るだろうか 前を見て、進み続ける君の
     凛と伸びた背中は美しい
     ふと足を止めたとき、
     振り返って
     振り返って
     そこに佇んだままの僕に気付いて
     まだそこにいるの、と呆れるだろうか
     まだそこにいたの、と力なく微笑うだろうか
     それとも
     まだそこにいてくれたの、と肩の力を抜くだろうか
     
     前だけを見て、進み続ける君の
     凛と伸びた背中は美しい
     そして哀しい
     
     僕はここにいるよ
     僕がここにいるよ
     囁いた声は闇に呑まれて
     君の背中も闇に呑まれて
     僕はまた、ここに取り残されて
     
     ひどく静まり返った深夜に
     雲の厚い、空の真っ黒な深夜に
     車の通りもなくなった深夜に
     何も、何も見えない手探りの夜に
     
     深夜に
    日々 | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | - | -

    この記事に対するコメント

    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://note.honeybee.pepper.jp/trackback/683736
    この記事に対するトラックバック